新年に先立って経営計画を立ててみよう。そんなふうに考えている人も多いのではないでしょうか?
「経営計画の立て方」に関する書籍はたくさんあるので、今日は細かい方法論というよりも、一番大切な「骨子(本質)」の部分を紹介したいとおもいます。
これは、城野宏氏が提唱した「思考手順」というフレームワークに基づいています。 手順は以下の5つです。
① 以前はどうなっていたか(歴史)
② 現在はどうなっているか(現状)
③ 将来はどうなるだろうか(予測)
④ 今後はどちらに向かうか(方向)→ 戦略
⑤ 今からどのようにするか(手段)→ 戦術
順を追って見ていきましょう。
① 以前はどうなっていたか(歴史)
「歴史に学べ」とはまさにこのことです。人間が悩んできたことは、過去も現在も結構似通っています。過去に似た事例はあったのか? その時どう対処し、その後何が起きたのか? 類似点を探し出し、ヒントを得ます。
② 現在はどうなっているか(現状)
ここでSWOT分析などの出番です。自社の強み、弱み、機会、脅威を書き出しましょう。客観的な市場分析をして、本当の強みを把握します。
③ 将来はどうなるだろうか(予測)
3年後の市場動向はどうなっているか。自社のシェアはどう変化するか。どこに「打ち手」があるのかを予測し、把握します。
以上はAIの登場により格段に調べやすくなりましたね。
④ 今後はどちらに向かうか(方向)→ 戦略
さあ、いよいよあなたの意思決定です。①~③までは準備段階。ここからが本番です。
大胆に決めましょう。先に決めるのは「方向」です。 方向なので、進むのは「1方向」のみ。決めたら他は潔く捨てる。「あれも素敵だな」と思っても、決めた方向以外はやらない勇気が必要です。
例えば、先日ある2人のソフトウェア会社の社長の話を聞く機会がありました。
一人は、SES(準委任契約)といって、社員をお客さんの会社に常駐させてシステムを作っていく会社の社長。「いつも忙しいのに売上が安定しない」という悩みを抱えており、他の事業にも手を出したいと迷っていました。
もう一人の社長は、「SESはやらない」と決めています。 システム開発の「一次請け(元請け)」になると強い意志で決定し、時にはお客様をお待たせしてでも、決められた人数で質の高い仕事をこなしていくスタイルを貫いています。
あなたは、どちらの会社が反映すると思いますか? 答えは、おわかりですよね。
⑤ 今からどのようにするか(手段)→ 戦術
最後に考えるのがこれです。 しかし、殆どの会社は「ここ」からやってしまっていませんか? いきなり手段から入り、うまくいかないから違う方法を考える……。これでは「戦略なき戦術」の繰り返しです。
「今月どうする」「来月どうする」といった話は、すべて戦術の話です。戦術はあくまで戦略達成の為に必要なもの。戦略に反した戦術はやってはいけません。戦略がなければ戦術は成り立たないのです。
先ほどの「一次請け専門会社」で例えるなら、このようになります。
【戦略】
一次受託専門会社として生きる(SESは捨てる)
【戦術】
顧客ターゲット:システム発注を継続的に行う会社に絞る
営業方針:信頼性を何よりも重視し、保守メンテナンス契約に問題のない会社とだけ付き合う
人事方針:残業はしない(優秀な社員を確保し続けられるように)
組織方針:顧客満足よりも、まずは社内ES(従業員満足度)を重視する
いかがでしょうか。 この「思考手順」を元に、迷う無駄な時間を省いて、来期の生産性を高めていきませんか?
