皆様、こんにちは!金谷貴生でございます。
今回はシリーズ「『孤独な社長』のタイプ別対応方法」の第1回目。 再生の現場で最もよく耳にする、「うちの社員は意識が低い」という言葉への対応についてお話しします。
「孤独な社長」が抱える期待と不満
そもそも「社長」とは孤独なものです。 経営が苦境に陥っても誰にも相談できず、時には自らの資産を取り崩しながら、なんとか資金を回す「自転車操業」で耐えている方が多くいらっしゃいます。
そんな極限状態にいる社長は、当然ながら社員に対して「苦境を救う成果」を期待してしまいます。 しかし、その期待が高ければ高いほど、現状とのギャップに苦しみ、経営の悪化とともに社員への不満を募らせてしまうのです。
そこで出てくる言葉が、これです。 「うちの社員は意識が低い」
崩壊した「信頼関係」をどう修復するか
事業再生において、社長と社員が一体となって改善に取り組むことは不可欠です。 しかし現実には、社長の過度な期待と社員の疲弊によって「信頼関係」が崩壊しており、それが原因で再生に失敗(破産)するケースが散見されます。
我々が事業再生の現場に入った際、最初に行うべき大切な活動は、財務の改善以上に「相互の不信感をどう取り除くか」にあるといっても過言ではありません。
「強い社長」を演じるのをやめた時
ここで、株式会社こんの・紺野道昭社長の体験談をご紹介します。 事業再構築の中で、紺野社長が気づいた「自分に足りなかったもの」。それは意外なものでした。
「『謙虚さ』と『感謝』 です。 それまでの私は『社長は強くないといけない』という考えに囚われ、トップダウンで指示を下し、社員にもキツく当たっていました。 本当は、自分は気弱な性格で、トップダウンなんて向いていなかったのに、自分が作った『社長らしさ』を演じているうちに暴走し、社員や周囲への謙虚さや感謝の気持ちを忘れてしまっていたことに気づかされました」
「意識が低い」と嘆く前に、社長自身が「強い社長像」という鎧を脱ぎ、等身大の言葉で感謝を伝えられるか。そこに再生のヒントがあるように思います。
皆様はこのエピソードをどう感じられましたか? ご意見・ご感想をぜひお寄せください。
次回は、事業再生に重要な「『孤独な社長』と社員を結びつけるものは何か」についてお話ししたいと思います。
